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日本野鳥の会
北九州支部

野鳥も人も地球のなかま

日本野鳥の会北九州支部は、「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、
野鳥を通じて自然を守る活動を続ける自然保護団体です。
北九州市と近郊地域を主な活動範囲として、毎月各地での探鳥会開催のほか、
野鳥の調査・研究、保護活動、会報「北九州野鳥」の発行を行っています。

ホーム: ようこそ!

わたしたちの活動

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探鳥会

年間40回程度開催しています。

毎月第一日曜日は、北九州市内で最も多くの野鳥が観察できる曽根海岸で開催しています。

その他、市内やその近郊の山野や貯水池などでかわいい小鳥のしぐさや美しい鳴き声、勇壮なタカ類の渡りの様子などを観察しています。

 

  • 探鳥会は会員外の参加者大歓迎しています。

  • 初心者の方でも、ベテラン会員が丁寧に案内します。

 

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​​曽根干潟の清掃活動

 

北部九州に残された最大級の干潟、曽根干潟とその後背地(曽根新田)の清掃活動を行っています。

海鳥やカメ、イルカ、魚たちに深刻な影響を与えているプラスチックを重点的に回収。

毎年4月の第一日曜日は「干潟・湿地を守る日」に賛同して、北九州支部主催の清掃探鳥会を実施。

また6月と9月には曽根東小学校主催の「曽根干潟クリーン作戦」に協力しています。

 

開催予定の探鳥会

*探鳥会について*

○参加費は100円です。(中学生までは無料)

○筆記用具、双眼鏡があればご準備ください。

○会員でない方、初心者の方も大歓迎です。

​○感染対策をしてご参加ください。

  ご不明な点がある場合は、メールにてお問い合わせください。

前田 shijukarakara@gmail.com

磯部 sabannashitodo@jcom.zaq.ne.jp   

​ー探鳥会年間予定ー
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ホーム: 活動内容
ホーム: 活動内容
ビオトープ便り

​ 春が来ました。新しいことが始まる季節です。北九州市では今年度から小学校全校で「2学期制」を実施するそうです。これまでの3学期が前期と後期の2学期となり、始業式や終業式の回数が減り、授業時間を確保しやすくなるそうです。また一部の学校で小中一貫校が始まるそうです。子どもたちを取り巻く環境が変わることで、良い結果が出ることを期待します。春は出会いの季節でもありますから。

〈野鳥情報〉

4月上旬現在、ノスリ、ノビタキ、セイタカシギなどが見られています。チュウヒがディスプレーを始めています。

≪響灘ビオトープ野鳥観察会≫

偶数月は第2土曜日、奇数月は第2日曜日開催。

次回は5月11日(日)午前9:15スタート、11:30くらいまで。荒天中止。

双眼鏡の無料貸し出しあります。

​★5月11日(日)は響灘ビオトープで初めての「市民探鳥会」です。お誘いの上、多数のご参加お待ちしています!

<響灘ビオトープスタッフ:三上 剛>

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未来へ残そう曽根干潟

北九州市の生物多様性において最も重要な

曽根干潟の自然を守っていきましょう!

ハサミを上げ下げしているカニ、それを狙って駆け寄るシギ、砂の上には無数のウミニナ。春や秋にはシギ・チドリ類など多くの渡り鳥が翼を休め、冬には海上を漂うカモ類の群れを見ることができます。

干潟は私たちの生活と密接な関係を持ち、漁業の上でも資源を確保し、育てる場所として大切です。自然の浄化槽として都市とそこに住む人々を支えています。そして、リクレーションと環境教育の優れた教室といえます。

              逸見泰久「和白干潟の生きものたち」より

左は夏羽、右は冬羽のズグロカモメ

​ラブラブ?なダイシャクシギ

​大型カモのツクシガモ

絶滅が危ぶまれるクロツラヘラサギ

生きた化石と呼ばれるカブトガニ

自然の海岸がほとんどなくなってしまった北九州市に、奇跡的に残されていた曽根干潟は、最大干出面積517ヘクタール、北部九州に残された広大な干潟です。後背地は住宅地、水田、草地などが広がり、その間を竹馬川、大野川、貫川、朽網川の4本の河川が流れ、曽根干潟に流入しています。この河川の流入によって、干潟の塩分濃度を微妙に調整し、多様な底生生物相を形成する水域をつくっています。曽根干潟の生物相は豊かで、その種類、数は曽根干潟の重要性の指標となっており、ラムサール条約登録の条件をもクリアーしています。

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カニをゲット!

ズグロカモメ

曽根干潟は北九州市内で最も多くの

野鳥が観察できるところ。

毎月第一日曜に定例探鳥会を開催中。

写真提供:S.Takahashi

曽根干潟だより

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ハクセンシオマネキ

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​後背地にやってくる珍鳥

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​クロツラヘラサギ ⒸS.TASHIRO

マガン ⒸS.TAKAHASHI

チュウヒ ⒸT.ITOYAMA       ナベヅル ⒸS.TAKAHASHI     ハヤブサ ⒸM.KAWASAKI

​風車に接近するマガンの群れ

今世界では、地球温暖化対策に役立つクリーンエネルギーとして、太陽光と風力の発電所が次々と計画され、稼働しています。特に風力発電は世界的規模で導入が進んでおり、日本各地でも山地の稜線や海岸線にずらりと並んだ風力発電の風車を見ることができます。(北九州市内では、若松区響灘地区に陸上で7基、洋上で1基が稼働しています。2025年3月時点)

◇風力発電施設の建設後は・・・

建設後は、綿密な野鳥の衝突(遺骸)調査や、レーダー・ビデオカメラなどで監視モニタリングを行い、野鳥が風車に近づけば自動的に回転数を下げたり、停止することが求められます(すでに海外で導入されている)。また、渡り鳥の渡り時期や、カモ類などの採餌場所への往復時間帯は風車の運転調整をすることが望ましい。そして、衝突事故発生時には、風車の運転を一旦停止し、対策を検討するなど、“野鳥にやさしい風力発電”を目指してほしいものです。

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参考・引用:(公財)日本野鳥の会 「風力発電が野鳥に与える影響のまとめ」

集団繁殖するオオミズナギドリが危ない!

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グローカル社による北九州市白島沖浮体式洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書に対する意見書

(2025年3月8日付(公財)日本野鳥の会との連名で提出)

 

(仮称)北九州市白島沖浮体式洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)に記載されている事業実施想定区域(以下、計画地という)は、希少な鳥類が多く生息し、鳥獣保護区(特別保護地区)である白島との距離が近いため、白島および周辺海域に生息する鳥類や稀な島嶼地域の生物多様性に与える影響が大きいと予測する。さらに、本事業計画において設置予定の風車は最大高さ300m、回転直径290mと、以前に貴社が計画した着床式風力発電事業のものにも増して鳥類がブレードに接触するリスクが高くなることが予想され、鳥類への配慮を欠いた、分別の無い計画と言わざるを得ない。よって、貴社は計画を白紙撤回すべきである。もしくは下記1.および2.にあるような実効性ある環境保全措置を講じるべきである。

 

保全措置1.鳥類が風車に近づいたら自動的にシャットダウンするシステムを導入する。(レーダーとローター自動緊急停止システムが組み合わされたシステムが必要)

保全措置2.白島(鳥獣保護区・特別保護地区)で集団繁殖するオオミズナギドリの離島時(探餌に出発するため)と帰島時(採餌から帰島するため)の時間帯に風車の運転を停止する。

 

以下に、上記を求めるに至った理由等について述べることとする。

 

【計画の白紙撤回もしくは実効性ある対策の採用を求める理由等について】

1.近年における白島及びその周辺の洋上における調査では、白島の陸上で46種、周辺洋上で34種の鳥類を記録しており、そのうち希少種(絶滅・準絶滅危惧種、国内希少野生動植物種、天然記念物)は20種に及ぶ(※1,2)。中でも白島を往来し、周辺の洋上を飛翔する鳥類にとって風車の存在がバードストライク等の重大な影響を及ぼす可能性がある。

 

2.オオミズナギドリ(日ソ・日豪渡り鳥条約掲載種)は、国内でも数少ない集団繁殖地として毎年白島に多数渡来しており、これまでの調査では特に白島の西~北西海域での飛翔等が多く確認されている(※1,6)。飛翔高度においては通常(探餌)は高度Ⅼが多いが、帰島時には徐々に高度を上げ、その高さは本事業計画のブレード回転範囲に重なる(※6)。また、荒天時においては、飛翔高度が上下する可能性もあり、群れで行動する本種が本事業計画の風車ブレードに群れで衝突し、白島の繁殖コロニーに大きな影響を及ぼす可能性がある。予測衝突数が年間1個体未満など、机上の計算は全く信用できるものではない。

 

オオミズナギドリは繁殖コロニーに対する固執性が高く、簡単には営巣放棄しないと考えられるため、事業想定区域のどこに風車を建てても、バードストライクが一定頻度で起こり続ける可能性がある。

 ((公財)日本野鳥の会自然保護室2025.02)(※8)

 

3.カラスバト(国天然記念物・絶滅危惧種)は、島嶼地域に生息する希少な鳥類であり、白島固有の生物多様性を保全する観点からも重要な種である。当支部の調査によれば、白島(男島)で30羽以上のカラスバトを確認したが(※2)、このすべてが比較的小規模な島といえる白島(男島)に留鳥として生息しているとは考えにくく、島嶼間を移動していると推測できる。その移動の際に、本事業計画の洋上風車のブレードに衝突死し、さらに生息地を放棄する可能性がある。

 

4.ミサゴ(準絶滅危惧種)は、これまでの調査で、白島全体で29ヵ所(男島16ヵ所、女島13ヵ所)の営巣地が確認されている(※1)。猛禽類は国内外において風車への衝突死が多く、若松区響灘埋め立て地においても衝突死と推定できる6羽のミサゴの死骸が発見されている(トビに至っては11羽)(※3)。本事業計画の風車建設によっても同様の事故が発生する可能性が非常に高い。予測衝突数が年間1個体未満など、机上の計算は全く信用できるものではない。洋上風車の浮体部で休息するなど(※7)、風車への馴れが一層衝突リスクを高めることになる。

 

5.ハチクマ(準絶滅危惧種)は、北九州市の陸域から海域を幅広く渡ることが日本野鳥の会北九州支部の観察により確認されている。白島上空においても、330羽(2016.09.30)のハチクマが渡っていることを確認しており(※2)、気象条件によって渡りコースが変わるハチクマは洋上も重要な渡りコースであることを認識すべきである。また、ハチクマのような滑翔性鳥類は風車を避けることが難しいとも言われ、陸上に比べ上昇気流の少ない海域において風車に衝突死する可能性がある。

 

6.ハヤブサ(国内希少野生動植物種・絶滅危惧種)は、希少種の名の通り、観察できる頻度は多くはないが、白島の女島周辺で繁殖している可能性が高い。白島周辺を渡る小鳥類などを捕食するために急降下および追跡飛翔する際、洋上風車に対する認識が薄れ、ブレードに衝突死する可能性がある。また、洋上風車の浮体部で休息するなど(※7)、風車への馴れが一層衝突リスクを高めることになる。

 

7.カンムリウミスズメ(国天然記念物・絶滅危惧種)は、わが国固有種と言える希少な種であり、繁殖地も数少なく、その個体数は5千~1万羽とされ、ウミスズメの仲間では今絶滅が最も心配されている。本種はジオロケータによる研究などによって響灘海域を移動していることが明らかになっており(※1,4)、特に本事業計画の洋上風車建設時において影響を受ける可能性がある。

 

8.ヒメウ(絶滅危惧種)、ウミウ、クロサギ(準絶滅危惧種~福岡県)、カモメ類は、白島と陸域沿岸部等を往来する際、本事業計画の洋上風車のブレードに衝突死し、さらに生息地放棄の可能性がある。洋上における飛翔高度として、カモメ類の飛翔高度25m~60m、ウミウ25mが観察されており(※5)、波浪高さによってはさらに高度が上がり、衝突確率が高くなる。

 

<鳥類の予測衝突回数について>

 そもそも風車1基当たりの衝突確率が年間何羽以下であれば影響が軽微であるという基準などについて、国内では一切論じられたことは無い。さらに日本国内に生息する鳥類の個体群に対して回避率を算出した報告事例が無いこと((公財)日本野鳥の会自然保護室)や、回避率は立地環境や気象による影響を大きく受ける(鳥類衝突リスクモデルによる風力発電影響評価:竹内 亨)ことから、この計算は群れで飛翔するオオミズナギドリ等には当てはまらない。いかにもバードストライクの確率・衝突数が極めて小さいことを印象付けるために利用しており、予測衝突数を検証する手段も方法も無いと思われ、衝突予測の手法としては極めて不適切である。パブリックコメントを提出する市民や環境審査会委員を惑わすような机上の計算値を記載すべきではない。環境省の手引きが適切とは限らないことがあることを認識すべきである。

 

2019年に計画した着床式洋上風力発電計画2基に対しては、当会と環境審査会の委員から厳しい意見が出されたにもかかわらず、方法書段階まで鳥類への配慮の姿勢は無いに等しく、今回のさらなる大規模な計画も、鳥類への配慮は不十分であり、北九州市の生物多様性を軽視した計画と言わざるを得ない。オオミズナギドリやミサゴが風車の羽根に弾き飛ばされ、叩き落とされ、帰らぬ親鳥を待つひな鳥の悲惨な状況を想像してみてください。

希少種・普通種を問わず、鳥類への影響を未然に防ぐ最も有効なのは、影響を与える場所には風車を建設しない事である。

 

※引用文献等

1.環境省委託風力発電等環境アセスメント基礎情報整備モデル事業・福岡県の情報整備モデル地区における地域固有環境情報調査事業(2014~2015年 三洋テクノマリン(株)調査)

 2.福岡県委託鳥類生息調査(白島)2015・2016年度(日本野鳥の会北九州支部)

 3.日本野鳥の会北九州支部による響灘埋立地で稼働中の事業者への聴き取り調査

 4.論文「ジオロケータにより明らかになったカンムリウミスズメの移動経路2013-2014」山口典之 他

 5.NEDO次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究環境アセス調査(2016年エコ・パワー(株))

 6.NEDO 2016年度洋上風況観測システム実証研究環境調査報告(2017年電源開発(株))

 7.NEDO実証機(響灘バージ型浮体式洋上風力発電)2023年度成果報告会(2024年2月1日)

 8.「オオミズナギドリの集団営巣地における定着性」2011須川 恒、狩野清貴

以上

地球規模で進む地球温暖化は、野鳥をはじめとする野生生物に対しても影響を与えていると言われており、私たち日本野鳥の会北九州支部は温暖化対策としての自然エネルギー導入は重要だと考えています。ところが、“環境にやさしい”と言われる風力発電ですが、回転する風車の羽根に野鳥が衝突(バードストライク)し、死亡するという事故が各地で発生しています。判明しているだけでも国内で604羽の野鳥(2023年3月時点)が犠牲になっています。(若松区響灘地区ではこれまでに11種33羽の衝突死と推測・推定できる死骸が発見されている)

曽根干潟後背地の開発問題~北九州市長からの回答

「可能な限り自然環境に影響を与えないように配慮」

「北九州市産業用地民間開発募集エリア」から曽根干潟後背地を除外するよう北九州市に求めていましたが、企業立地支援課を通じて北九州市長回答を受け取りました。

「可能な限り自然環境に影響を与えないように配慮」「環境負荷の低減に向けた十分な配慮の重要性も認識」と、曽根干潟後背地の保全に気遣いを示した一方で、「開発が可能かどうか検証」など、開発の含みを持った趣旨のようにも感じました。

行政や風力発電事業者の決まり文句に、「可能な限り」「関係法令の遵守」がよく出てきます。不十分な対応であっても「可能な限り」、単なる手続きでしかない現在の環境アセス法や条例は自然環境への影響軽減にはならなくても、「アセス実施の結果影響は小さい」と結論づけられてしまいます。

この度の北九州市長からの回答は、後背地が開発されないと保証できるものではありませんが、

回答書を受け取ったときに、企業立地支援課から「企業には後背地を勧めることはできない」の言葉がありました。今後も曽根干潟と後背地が健全に保全されていくよう注視していきます。

支部会員の皆様と賛同団体の皆様から北九州市「市民のこえ」に多数意見を送っていただき、本当にありがとうございました。私たちが曽根干潟と後背地に生息する野鳥たちへの思いが、少しは武内北九州市長に届いたのではないでしょうか。

以下、北九州市長からの回答文を紹介します。

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曽根干潟後背地の開発問題

日本動物分類学会をはじめ7学会からも要望書提出

北九州支部会員から北九州市「市民のこえ」に意見を送ったことをきっかけに、日本動物分類学会会長や同学会の生物多様性保全委員会委員長の働きかけにより、国内の7学会から北九州市長と福岡県知事に要望書が提出されました。野鳥の会北九州支部が訴えた危機感と行動が、各学会に伝わり広まり、曽根干潟後背地の重要性を訴える北九州支部への応援をしていただきました。「野鳥も底生生物も人も地球のなかま」を実践した行動であったと思います。7学会のみなさま、ありがとうございました。

※7学会

軟体動物多様性学会自然環境保全委員会、日本貝類学会多様性保全委員会、日本魚類学会自然保護委員会、

日本生態学会九州地区会、日本鳥学会鳥類保護委員会、日本動物分類学会生物多様性保全委員会、

日本ベントス学会自然環境保全委員会

マナーを守って野鳥観察をもっと楽しもう

鳥たちにも鳥たちの生活があります。
お邪魔させてもらう気持ちで観察や撮影を楽しみたいものです。
では、どのようなポイントがあるのでしょう。

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